「扶養の範囲内で働きたい」と希望するパート従業員には、税金や社会保険による「年収の壁」がいくつかあります。この壁を超える事を目指す新しい政策が9月に発表されました。
ここでは「130万円の壁対応策」をご説明させて頂きます。
目次
130万円の壁対応策
年収130万円以上になると社会保険の「扶養」から外れ、国民健康保険や国民年金の保険料を払うことになります。
今回の対応策は、「一時的に130万円以上になっても、扶養のままでいいですよ」というものです。繁忙期や人手不足の中、労働時間を減らして130万円未満に収入を調整していたパート従業員も、この制度が利用できれば「上限を気にせず働いても大丈夫!」ということになります。
対象となるケース、ならないケース
今回の対応策では、人手不足で労働時間が延長した等により、一時的に収入が変動した場合に、事業主がその年の「被扶養者の収入確認」等の際にそれを証明することにより、「扶養のまま」でいることができます。
ポイントは「一時的に」という点です。今後も引き続き収入が増えることが確実な場合は、「一時的」とはいえません。どの場合に対象になるのかは下記をご参照ください。
対象となるケース
対象とならないケース
一時的に収入が増えた場合
この後も収入が増えたままになる場合
- 退職者や求職者の穴を埋めるべく、労働時間が増えた
- 今期は受注が好調で、仕事の量が増えた
- 大口の受注が入ったため、仕事の量が増えた 等
- 基本給が上がったため、年収も増えた
- 新たな手当(恒常的なもの)が支給され、収入が増えた
- 恒常的に130万円以上になることが明らかである 等
対象となるケース
一時的に収入が増えた場合
- 退職者や求職者の穴を埋めるべく、労働時間が増えた
- 今期は受注が好調で、仕事の量が増えた
- 大口の受注が入ったため、仕事の量が増えた 等
対象とならないケース
この後も収入が増えたままになる場合
- 基本給が上がったため、年収も増えた
- 新たな手当(恒常的なもの)が支給され、収入が増えた
- 恒常的に130万円以上になることが明らかである 等
いくらまで増えてよい?来年も使える?
具体的な上限額が設定されていませんが、扶養されているパート従業員の年収が、扶養している家族の年収等を上回っていないことが条件となります。
なお、この対応策は、同じパート従業員について連続2回まで利用できます。被扶養者の収入確認が年1回なら連続2年まで(2023年に利用した場合は2024年も)利用できます。
他、不明点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
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